狐花 感想 (ネタバレあり)
まあ歌舞伎用なせいか、いつもよりはスルッと読めちゃうというか、結末なんかもちょっと了巷説百物語や鵼の碑それぞれに通じるような「世界狭ッ!!」オチだったりもして、お葉 = 萩之介のツイストは面白かったけど、萩之介視点だとえらく迂遠なことしてるよなあ、とか、洲齋視点にしても「またしくじってんのんか〜い」って感じでややなんだかな感は お葉 = 萩之介の設定は歌舞伎映えしそうだなあ、とはおもった(みたことないけど)
あと珍しく(?)誤植というか明らかに誤変換してる箇所があったりして、急いで出したんかな、とかおもったりもした
こんなに急に供給が増えますとですね....
時代設定はおそらく了のエピローグの手前あたりかな?水野忠邦が失脚してちょい後、みたいな感じぽかった 武士の上月と商人の近江屋と辰巳屋で信田家の女を攫うために一族郎党皆殺しにして、その生き残りである萩之介がこの3人を事故死にみせかけて殺すために〜というのが大まかなあらすじ
商人2人はうまく事故死に成功し、娘にも害を及ぼさないってのに成功はしたのだが、本丸に失敗し〜というのがラスト捨子花の手前で、それが冒頭のシーンでしたよ〜という
この商人2人が殺されるのがあまりに手際がいいので、もしかして化け物遣いの一味が噛んでたりして!? とちょっと想像してしまったけど、さすがにそこまでのことはなく
それにしてもまあ....うっかり殺されてしまった雪乃が不憫だったし、雪乃の母も不憫オブ不憫だよなあ.....
上月は洲齋の「たのしかったですか?」で完全に L5 (死語)を発症してしまったが、縁ができたぜの遠山金四郎にもチクってあるからな!てーことだけど、なくなっちまったモンは取り戻せねえんよなあ.... 各章が彼岸花の別称が章のタイトルになってて、材木屋にとっては火事花で、ある者にとっては墓場に咲くから幽霊花で、ある者にとっては地獄花で、ってのと、本のサブタイトルの「葉不見冥府路行」ってのがなんのこっちゃだったけど、全体を呼んでからだとお葉ともかかってるし、彼岸花が葉が生えてくる前に花弁が散るってのともかかってて、深いなあ〜と(薄い)